2019年7月7日日曜日

2019年上半期の自動車販売台数から

自販連のHPで暦年上半期の車種別販売台数ランキングが発表されましたね。
自販連のデータに車型タイプとハイブリッドの有無とを追記してみました。

1~6月
順位
ブランド通称名
ブランド名
台数
タイプ
ハイブリッド
前年比
1
プリウス
トヨタ
70,277
ハッチ
109.8
2
ノート
日産
68,543
ハッチ
93.4
3
アクア
トヨタ
60,349
ハッチ
91.2
4
セレナ
日産
53,662
ミニバン
95.7
5
シエンタ
トヨタ
50,926
ミニバン
112.1
6
カローラ
トヨタ
47,836
ハッチ
120.8
7
ヴォクシー
トヨタ
47,834
ミニバン
100.3
8
フリード
ホンダ
45,548
ミニバン
103.6
9
ルーミー
トヨタ
45,544
ハッチ

101.4
10
ヴィッツ
トヨタ
45,279
ハッチ
106.5
11
フィット
ホンダ
45,089
ハッチ
94.0
12
タンク
トヨタ
37,232
ハッチ

98.0
13
アルファード
トヨタ
35,265
ミニバン
128.7
14
ヴェゼル
ホンダ
33,445
SUV
102.2
15
C-HR
トヨタ
32,221
SUV
78.6
16
ステップワゴン
ホンダ
29,295
ミニバン
93.2
17
ノア
トヨタ
29,155
ミニバン
98.1
18
ソリオ
スズキ
24,771
ミニバン
106.4
19
インプレッサ
SUBARU
24,448
ハッチ

80.0
20
パッソ
トヨタ
23,209
ハッチ

93.5
21
エクストレイル
日産
22,603
SUV
76.6
22
エスクァイア
トヨタ
22,284
ミニバン
106.2
23
クラウン
トヨタ
21,853
セダン
177.0
24
ハリアー
トヨタ
20,772
SUV
87.0
25
ヴェルファイア
トヨタ
20,762
SUV
91.5
26
デミオ
マツダ
20,507
ハッチ

76.0
27
CX-5
マツダ
20,201
SUV

103.1
28
スイフト
スズキ
19,006
ハッチ
95.3
29
RAV4
トヨタ
17,775
SUV

30
フォレスター
SUBARU
17,639
SUV

206.1
31
ランドクルーザーW
トヨタ
15,960
SUV

94.3
32
トール
ダイハツ
15,707
ハッチ

132.0
33
CX-8
マツダ
14,790
SUV

80.1
34
シャトル
ホンダ
13,892
ワゴン
85.4
35
クロスビー
スズキ
13,852
SUV
77.3
36
デリカD5
三菱
11,924
ミニバン

164.9
37
カムリ
トヨタ
11,723
セダン
97.2
38
リーフ
日産
10,541
ハッチ
EV
72.3
39
CR-V
ホンダ
9,590
SUV

40
オデッセイ
ホンダ
7,887
ミニバン
85.6
41
UX250H
レクサス
7,236
SUV
(18-11)
42
ES300H
レクサス
6,820
セダン
(18-10)
43
シビック
ホンダ
6,743
ハッチ

65.3
44
CX-3
マツダ
6,699
SUV

76.7
45
ジムニーワゴン
スズキ
6,473
SUV

1,457.9
46
レヴォーグ
SUBARU
6,285
ワゴン

68.8
47
マーチ
日産
5,884
ハッチ

82.3
48
インサイト
ホンダ
5,867
セダン

49
アクセラ
マツダ
5,673
ハッチ

53.4
50
ブーン
ダイハツ
5,262
ハッチ

145.7

今年の上半期に最も売れたのはプリウスの70277台、約2000台差という僅差でノートが続くという結果だった様です。ただ、ノア/ヴォクシー/ヴェルファイアの3兄弟で97751台、ルーミー/タンクの兄弟で82776台ですから、実質的にはノア3兄弟が1位、ルーミータンク兄弟が2位って事なんでしょうね。ルーミータンク兄弟にはメーカー違いでトールとジャスティが居るので、トールの15707台を合わせるとノア3兄弟とほぼ同数。販売台数の分からない(50位以内にいない)ジャスティも合わせると実質1位なんですかね?

上位を見てみると、ハッチバックの車が多いことに気づきます。巷間言われているセダン離れは販売台数からも顕著にわかる様ですね。セダンがメインの車種で最初に登場するのは23位のクラウンですから、いわゆる高級セダン以外ではセダン需要は旺盛ではなさそうです。

世界的ブームと言われるSUVについて、販売台数から見る限りでは国内市場での盛り上がりはイマイチといったところでしょうか。14位のヴェゼル、15位のC–HRが最上位です。ただ基本的にはビジネス需要が大きくないであろうSUVということを考えるとこの2車がプリウスの4割程度の台数販売しているという事実は「SUV盛り上がってる」という見方もできるかとは思います。上位3台のプリウス、ノート、アクアは法人需要も多そうなので除外すると、セレナやシエンタの位置くらいまでSUVのいずれかの車種が来てるとSUVの隆盛を販売台数からも言えるのかと思うので、半年であと約2万台の販売増があればって所なんでしょう。

販売台数ランキングから車型という切り口で見えてくるのは「ミニバン強し」という事ですね。中型ミニバンであるノア3兄弟、小型のシエンタやフリード、そして大型のアルファードと、様々な価格、サイズでミニバンは満遍なく売れています。実際乗せてもらうなら良いですもんね、ミニバン。アルファードのタクシーを使うことはよくありますけど、メルセデスのSクラスが配車されてくる時よりアルファードが配車されてきたときの方が嬉しいですし。何より天地方向に広くて圧迫感がなくルーミー。これだけで乗せてもらう側にいるときには圧倒的なアドバンテージですから。迎車タイプでないタクシーを使うときも、小型サイズのミニバンであるシエンタベースのジャパンタクシーを狙って手を挙げますし。セダンタイプと同じ料金であることが不合理と思えるくらい車内快適ですから。ミニバン人気は乗せてもらう側の意見を重視すれば当然の結果だと思います。

そしてランキング全体を通して言えるのは「日本市場で戦うにはハイブリッド必須」ということなのではないでしょうか。上位50車種中、ハイブリッドのグレードを持つものが31車種、1車種が電気自動車という結果でした。特にトップ10ではルーミー以外の9車種が、トップ20でもルーミー、タンク、インプレッサ、パッソ以外の16車種がハイブリッドを持ちます。今やハイブリッドは売れ筋モデルにとって当たり前の要素で、逆にハイブリッドを持たないと極めて厳しいであろうことが推測されます。
同じ環境技術でもクリーンディーゼルは人気がない様です。ディーゼルをラインアップするモデルは26位のデミオまで出てきません。その次が27位のCX-5。ディーゼルは車両価格がガソリン車に比べると高くなる傾向があるためかとも思いますが、同じく車両高くが高くなるハイブリッドが売れていることからすると、それは大きな理由ではなさそうです。

先ほど「乗せてもらう分にはミニバン最高」と書きました。このハイブリッド人気も同じ理由があるのではないかと思います。ハイブリッド車、燃費が良いことはもちろんのこと、電気で走ってる時には静かでスムーズですからね。乗せてもらう分にはハイブリッドのミニバンが最高です。静かでルーミーで乗り心地が良い。乗せてもらうならこれ以上望むことはありません。

ということで、日本市場で人気があるのはハイブリッドのハッチバックもしくはミニバン、ということになる様です。なぜそれが人気かと言えば、扱いやすくて使い勝手が良く、経済的で一緒に乗る家族にも好評だから、ではないでしょうか。実用品として考えた時、至極まっとうな結果が出ているのだと思います。私の様な車好きからすれば「速い」とか「かっこいい」とか「運転して楽しい」とかが選択基準になりますが、そんなことを考えているのはごく少数の変わり者で、世の大多数はそうではないということが示されているのだと思います。車はおもちゃでも趣味の対象でもなく実用品。車をおもちゃや趣味の対象の様に考えている人は圧倒的少数派の時代だということなのでしょう。
こうなるとパーソナルモビリティの選択肢が車を持つことだけではなくなる時代になった時、車を持つという選択を取らなくなる人は増えるでしょう。自動車メーカー各社がそのことを見越し、危機感を持ち、対策を始めた理由はそこにあります。その戦略は
①次の時代の人と自動車関係性のあり方を定義すること
②自動車好きを増やすこと
この二つを両輪としていると思われます。①は所有に変わる手段の提供、②はコアな趣味者相手に嗜好品としても堅実に商売できる環境を維持し続けること、ですね。
最近、各社スポーツカーや高級車に力を入れてきている様に見えます。これは②の戦略なんだろうなと思って眺めています。
これは車好きとして嬉しい時代になるかもしれない。そう思っています。

それでは。

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