自販連のデータに車型タイプとハイブリッドの有無とを追記してみました。
月
|
1~6月
|
|||||
順位
|
ブランド通称名
|
ブランド名
|
台数
|
タイプ
|
ハイブリッド
|
前年比
|
1
|
プリウス
|
トヨタ
|
70,277
|
ハッチ
|
○
|
109.8
|
2
|
ノート
|
日産
|
68,543
|
ハッチ
|
○
|
93.4
|
3
|
アクア
|
トヨタ
|
60,349
|
ハッチ
|
○
|
91.2
|
4
|
セレナ
|
日産
|
53,662
|
ミニバン
|
○
|
95.7
|
5
|
シエンタ
|
トヨタ
|
50,926
|
ミニバン
|
○
|
112.1
|
6
|
カローラ
|
トヨタ
|
47,836
|
ハッチ
|
○
|
120.8
|
7
|
ヴォクシー
|
トヨタ
|
47,834
|
ミニバン
|
○
|
100.3
|
8
|
フリード
|
ホンダ
|
45,548
|
ミニバン
|
○
|
103.6
|
9
|
ルーミー
|
トヨタ
|
45,544
|
ハッチ
|
|
101.4
|
10
|
ヴィッツ
|
トヨタ
|
45,279
|
ハッチ
|
○
|
106.5
|
11
|
フィット
|
ホンダ
|
45,089
|
ハッチ
|
○
|
94.0
|
12
|
タンク
|
トヨタ
|
37,232
|
ハッチ
|
|
98.0
|
13
|
アルファード
|
トヨタ
|
35,265
|
ミニバン
|
○
|
128.7
|
14
|
ヴェゼル
|
ホンダ
|
33,445
|
SUV
|
○
|
102.2
|
15
|
C-HR
|
トヨタ
|
32,221
|
SUV
|
○
|
78.6
|
16
|
ステップワゴン
|
ホンダ
|
29,295
|
ミニバン
|
○
|
93.2
|
17
|
ノア
|
トヨタ
|
29,155
|
ミニバン
|
○
|
98.1
|
18
|
ソリオ
|
スズキ
|
24,771
|
ミニバン
|
○
|
106.4
|
19
|
インプレッサ
|
SUBARU
|
24,448
|
ハッチ
|
|
80.0
|
20
|
パッソ
|
トヨタ
|
23,209
|
ハッチ
|
|
93.5
|
21
|
エクストレイル
|
日産
|
22,603
|
SUV
|
○
|
76.6
|
22
|
エスクァイア
|
トヨタ
|
22,284
|
ミニバン
|
○
|
106.2
|
23
|
クラウン
|
トヨタ
|
21,853
|
セダン
|
○
|
177.0
|
24
|
ハリアー
|
トヨタ
|
20,772
|
SUV
|
○
|
87.0
|
25
|
ヴェルファイア
|
トヨタ
|
20,762
|
SUV
|
○
|
91.5
|
26
|
デミオ
|
マツダ
|
20,507
|
ハッチ
|
|
76.0
|
27
|
CX-5
|
マツダ
|
20,201
|
SUV
|
|
103.1
|
28
|
スイフト
|
スズキ
|
19,006
|
ハッチ
|
○
|
95.3
|
29
|
RAV4
|
トヨタ
|
17,775
|
SUV
|
○
|
|
30
|
フォレスター
|
SUBARU
|
17,639
|
SUV
|
|
206.1
|
31
|
ランドクルーザーW
|
トヨタ
|
15,960
|
SUV
|
|
94.3
|
32
|
トール
|
ダイハツ
|
15,707
|
ハッチ
|
|
132.0
|
33
|
CX-8
|
マツダ
|
14,790
|
SUV
|
|
80.1
|
34
|
シャトル
|
ホンダ
|
13,892
|
ワゴン
|
○
|
85.4
|
35
|
クロスビー
|
スズキ
|
13,852
|
SUV
|
○
|
77.3
|
36
|
デリカD5
|
三菱
|
11,924
|
ミニバン
|
|
164.9
|
37
|
カムリ
|
トヨタ
|
11,723
|
セダン
|
○
|
97.2
|
38
|
リーフ
|
日産
|
10,541
|
ハッチ
|
EV
|
72.3
|
39
|
CR-V
|
ホンダ
|
9,590
|
SUV
|
○
|
|
40
|
オデッセイ
|
ホンダ
|
7,887
|
ミニバン
|
○
|
85.6
|
41
|
UX250H
|
レクサス
|
7,236
|
SUV
|
○
|
(18-11)
|
42
|
ES300H
|
レクサス
|
6,820
|
セダン
|
○
|
(18-10)
|
43
|
シビック
|
ホンダ
|
6,743
|
ハッチ
|
|
65.3
|
44
|
CX-3
|
マツダ
|
6,699
|
SUV
|
|
76.7
|
45
|
ジムニーワゴン
|
スズキ
|
6,473
|
SUV
|
|
1,457.9
|
46
|
レヴォーグ
|
SUBARU
|
6,285
|
ワゴン
|
|
68.8
|
47
|
マーチ
|
日産
|
5,884
|
ハッチ
|
|
82.3
|
48
|
インサイト
|
ホンダ
|
5,867
|
セダン
|
○
|
|
49
|
アクセラ
|
マツダ
|
5,673
|
ハッチ
|
|
53.4
|
50
|
ブーン
|
ダイハツ
|
5,262
|
ハッチ
|
|
145.7
|
今年の上半期に最も売れたのはプリウスの70277台、約2000台差という僅差でノートが続くという結果だった様です。ただ、ノア/ヴォクシー/ヴェルファイアの3兄弟で97751台、ルーミー/タンクの兄弟で82776台ですから、実質的にはノア3兄弟が1位、ルーミータンク兄弟が2位って事なんでしょうね。ルーミータンク兄弟にはメーカー違いでトールとジャスティが居るので、トールの15707台を合わせるとノア3兄弟とほぼ同数。販売台数の分からない(50位以内にいない)ジャスティも合わせると実質1位なんですかね?
上位を見てみると、ハッチバックの車が多いことに気づきます。巷間言われているセダン離れは販売台数からも顕著にわかる様ですね。セダンがメインの車種で最初に登場するのは23位のクラウンですから、いわゆる高級セダン以外ではセダン需要は旺盛ではなさそうです。
世界的ブームと言われるSUVについて、販売台数から見る限りでは国内市場での盛り上がりはイマイチといったところでしょうか。14位のヴェゼル、15位のC–HRが最上位です。ただ基本的にはビジネス需要が大きくないであろうSUVということを考えるとこの2車がプリウスの4割程度の台数販売しているという事実は「SUV盛り上がってる」という見方もできるかとは思います。上位3台のプリウス、ノート、アクアは法人需要も多そうなので除外すると、セレナやシエンタの位置くらいまでSUVのいずれかの車種が来てるとSUVの隆盛を販売台数からも言えるのかと思うので、半年であと約2万台の販売増があればって所なんでしょう。
販売台数ランキングから車型という切り口で見えてくるのは「ミニバン強し」という事ですね。中型ミニバンであるノア3兄弟、小型のシエンタやフリード、そして大型のアルファードと、様々な価格、サイズでミニバンは満遍なく売れています。実際乗せてもらうなら良いですもんね、ミニバン。アルファードのタクシーを使うことはよくありますけど、メルセデスのSクラスが配車されてくる時よりアルファードが配車されてきたときの方が嬉しいですし。何より天地方向に広くて圧迫感がなくルーミー。これだけで乗せてもらう側にいるときには圧倒的なアドバンテージですから。迎車タイプでないタクシーを使うときも、小型サイズのミニバンであるシエンタベースのジャパンタクシーを狙って手を挙げますし。セダンタイプと同じ料金であることが不合理と思えるくらい車内快適ですから。ミニバン人気は乗せてもらう側の意見を重視すれば当然の結果だと思います。
そしてランキング全体を通して言えるのは「日本市場で戦うにはハイブリッド必須」ということなのではないでしょうか。上位50車種中、ハイブリッドのグレードを持つものが31車種、1車種が電気自動車という結果でした。特にトップ10ではルーミー以外の9車種が、トップ20でもルーミー、タンク、インプレッサ、パッソ以外の16車種がハイブリッドを持ちます。今やハイブリッドは売れ筋モデルにとって当たり前の要素で、逆にハイブリッドを持たないと極めて厳しいであろうことが推測されます。
同じ環境技術でもクリーンディーゼルは人気がない様です。ディーゼルをラインアップするモデルは26位のデミオまで出てきません。その次が27位のCX-5。ディーゼルは車両価格がガソリン車に比べると高くなる傾向があるためかとも思いますが、同じく車両高くが高くなるハイブリッドが売れていることからすると、それは大きな理由ではなさそうです。
先ほど「乗せてもらう分にはミニバン最高」と書きました。このハイブリッド人気も同じ理由があるのではないかと思います。ハイブリッド車、燃費が良いことはもちろんのこと、電気で走ってる時には静かでスムーズですからね。乗せてもらう分にはハイブリッドのミニバンが最高です。静かでルーミーで乗り心地が良い。乗せてもらうならこれ以上望むことはありません。
ということで、日本市場で人気があるのはハイブリッドのハッチバックもしくはミニバン、ということになる様です。なぜそれが人気かと言えば、扱いやすくて使い勝手が良く、経済的で一緒に乗る家族にも好評だから、ではないでしょうか。実用品として考えた時、至極まっとうな結果が出ているのだと思います。私の様な車好きからすれば「速い」とか「かっこいい」とか「運転して楽しい」とかが選択基準になりますが、そんなことを考えているのはごく少数の変わり者で、世の大多数はそうではないということが示されているのだと思います。車はおもちゃでも趣味の対象でもなく実用品。車をおもちゃや趣味の対象の様に考えている人は圧倒的少数派の時代だということなのでしょう。
こうなるとパーソナルモビリティの選択肢が車を持つことだけではなくなる時代になった時、車を持つという選択を取らなくなる人は増えるでしょう。自動車メーカー各社がそのことを見越し、危機感を持ち、対策を始めた理由はそこにあります。その戦略は
①次の時代の人と自動車関係性のあり方を定義すること
②自動車好きを増やすこと
この二つを両輪としていると思われます。①は所有に変わる手段の提供、②はコアな趣味者相手に嗜好品としても堅実に商売できる環境を維持し続けること、ですね。
最近、各社スポーツカーや高級車に力を入れてきている様に見えます。これは②の戦略なんだろうなと思って眺めています。
これは車好きとして嬉しい時代になるかもしれない。そう思っています。
それでは。
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