2019年5月5日日曜日

BMW Z4 M40iに試乗


先日、念願のZ4に試乗しました。
試乗したグレードは私が考えている次期車候補ではない方のM40iです。ちょっとパワーがあり過ぎかつ値段が「これならボクスターに」というレンジですしね。


車体色はサンフランシスコレッド、内装色はコニャックという、私が一番好きな組み合わせの車両でした。


当日、1時間弱試乗できたのですが、前半は雨(しかも結構豪雨)、後半は晴れというコンディションでした。
ということで、前半はクローズ状態での試乗、後半はオープン状態での試乗でした。


まずは見た目。これはもう文句なしにかっこいいです。絵に描いたようなオープンスポーツカーです。
車両諸元でいうと全幅が1865ミリもあるのでだいぶ大きい車を想像していたのですが、実車を見ると大きいというよりむしろコンパクトという印象を得ました。これは全長が4335ミリと短いことが影響しているのだと思います。ショウルームで隣に新型3シリーズが置いてあったのですが、むしろ3シリーズの方がボリュームのある車のように感じられました。もちろん、全幅以外は3シリーズの方が大きいので、そう感じて当たり前と言えば当たり前なんですけどね。


さて試乗の開始です。
操作系に関しては、118dやMINIで慣れ親しんだBMWの操作系そのもので違和感はありませんでした。ちょっと戸惑ったのはパワーシート位ですかね。これまでBMWのパワーシートは経験していなかったので。
シートはかなりタイト目です。特にサイドサポートについては、アバルト595コンペティツィオーネのサベルト製バケットシートよりタイトに感じるくらいです。ドライビングポジションは完璧に出ます。
ギアをドライブに入れて走り出すと、まず真っ先に気づくのはトルコンATというイメージから想像されるミッションの多少のルーズさが全く感じられないことです。MINIのDCTよりもダイレクトに感じるくらいです。特に低速では、M40 iのエンジンが高トルクのせいか、MINIのDCTよりもギクシャク感が出るように感じたくらいです。
加速していくと、シフトの繋がり自体はスムーズで、エンジン音の変化もしくは回転計を見ていない限りは、シフトアップもシフトダウンも行われた事がわからないくらいです。
ハンドル操作に対する挙動もとてもダイレクトです。確かにスポーツカーなんだな、といった感じ。加速の速さはいうまでもありません。暴力的といってもいい程の加速をします。その際にエンジンとマフラーが奏でる音は、コンペについていたレコモン程の音圧音量ではないものの、十分に大きいと言えるものです。音質についてはさすがストレートシックスと言ったところでしょうか。回転上昇に伴い粒の揃った変化を見せるいい音です。
Z4M40 i、噂通り確かにいい車でした。


いい車であることは乗ってすぐわかりましたし、いいスポーツカーである事もすぐわかりました。オープンにして走っても剛性感の変化はなく、クローズ時と同等のガッチリさを感じることができましたしね。
ただ、なんだか没入できない、高揚感がないんです。
ハンドリングはシャープ、思った通りに動き、加速感は期待以上、音も振動もスポーツカーらしいものです。でも高揚感がない。アバルト595コンペティツィオーネに最初に乗ったときに感じたような高揚感が無かったんです。正直、スポーツカーとしての性能はコンペとは比べ物にならないほど高いと思います。それは1時間ほどの市街地ドライブでも十分にわかります。でも、何故だかスポーツカーに乗ってる感、その際に感じる高揚感においてはコンペがZ4を上回ってしまうんです。もちろん、これは各人の趣味の問題だと思うので、逆に感じる人も多くいると思います。そこは理解した上で、私としてはコンペの方によりドライビングの楽しみ、ドライビングの高揚感を覚えました。


恐らく、その理由はZ4の真面目さにあるのだろうと思っています。Z4は理詰めで速い車を作っているのだろうなという部分が随所から感じられます。1つ1つ理論的に裏付けられた設計を積み上げて、その完成形としてZ4が作り上げられている感じがします。
一方でコンペにはもっとアバウトな感じ、勢いと設計者のドヤ感のようなものが感じられるんです。「これ、かっこいいだろ?」「こうしたら面白くない?」「細かいことはどうでもいいからどーんと行こう」というような、そんな設計思想が見えるというか。。。もちろん、それはこちらの勝手な思い込みなので、実際にはものすごく真面目に理詰めの設計をしているのかもしれません。でも、出来上がったコンペから受ける印象は「カッコよくて楽しいは正義」というようなある種勢い任せな、適当な感じです。
その荒削りな感じが実に良くて、私には高揚感があるんですよね。アンバランスさが楽しいというか、一点突破主義が楽しいというか、どこかに漂う気楽さが楽しいというか。あるいは、手のかかるおバカな子は可愛いというか。


118dの時にも感じていた「いいクルマなんだけど興奮しない」という感じがZ4にもあった、そんな感じです。あまりにも合理的で冷静で、生真面目なクルマ、そんな印象を受けました。まさに機械に乗っている、そんな感じです。コンペは興奮した子犬にでも乗ってるような感じなんですけどね。今回の試乗で「もしかしたらBMWは合わないのかも」と少し感じました。私が求める方向性とは違うのかな、と。


ということで、次期車探索の旅は振り出しに戻る感じです。ボクスターもいいんですけど、実は今回の試乗で「4座の方が好みかもしれない」と感じる事がありました。良くできた2シーターオープンは風の巻き込みが4座より少なく、それが私の求めるオープン感を減らすのではないか、という疑問がうまれたのです。それを確かめに、良くできているであろう4座オープンの試乗に行ってみようと思っています。

それでは。

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